要件定義は上流工程か
SIerのエンジニアになると「要件定義=上流工程」って教えられます。
これは、Googleの検索結果からも一般的な傾向のようです。
でも、これって本当でしょうか?
確かにSIerのビジネスを考えれば、要件定義は上流です。RFPもらって、それに対する提案をするところからビジネスが始まります。
顧客に自社を選択していただいたら、そこからプロジェクトスタート。リプレース案件では「FS」とか「プレ要件定義」なんて言って、既存システムについての調査フェーズが入ることもありますが、だいたいは「要件定義」からスタートです。だから上流。
うん。そうだよね。
…で終わってしまったら、わざわざエントリを書いた意味が無い。
自分の問題意識は、「ほんとに要件定義は上流なの?」ってことです。
結論を先に言うと、「要件定義は中流工程」だと思うんですよ。
SIerという立場を離れて、一段高いところから眺めてみます。すると、ユーザ企業の中でのシステムについての動きが見えてきます。
ユーザ企業は自社のビジネスを持っており、それをサポートするためにシステムを導入・更新しようとしています。
なので、そこでは「今後どのようにわが社のビジネスを推進するか」「それに対してどのようなシステムが必要になるか」という点を考えているわけです。
一般に「ビジネス企画」とか「システム企画」とか呼ばれるフェーズですね。
これこそが上流工程、システム開発の源流だと思います。
そこからある程度目標が見えてきたら「要件定義」があるわけです。
だから要件定義=中流工程。
(話は内製回帰につながりますが、それはまた別途。)
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一段上から見てみることって大事ですよね*2。
俯瞰、鳥瞰、メタ思考。